内部にパイプとそのサポートが配置されているケーシングに、一定の速度で気体を流し込んだ場合に、内部で起きるであろう滞留の確認が目的である.さらに、パイプ等を配置せず、空の状態のケーシングにも同じ条件で気体を流し込み両者を比較することで、滞留の原因を探った.
目次
仕様・条件
流体解析ソフトウェア : Nagare を用い、以下の仮定に基づいて計算した.
計算条件
- 格子サイズ : 2.2~2.6mm
- 格子数
- 内部が空洞のケーシング (2つのパートに分割)
- 注入口部分 : 64x64x64
- ケーシング本体 : 896x128x128
- 内部にパイプとサポートを含むケーシング
- 896x128x192
- 内部が空洞のケーシング (2つのパートに分割)
- タンク内温度 : 一定 (考慮しない)
- 計算時間刻み : 5×10-5秒
- コア数/wall time
- 内部が空洞のケーシング (2つのパートに分割) : 57cores / 21 時間
- 内部にパイプとサポートを含むケーシング : 84 cores / 13 時間
- 評価時間 : 2秒
- 可視化 : ParaView
境界条件
- 上部からタンク内に高速で気体を注入
- ケーシング内を通過した流れは、ケーシング先端から流出
- ケーシング内部には複数のパイプと、それを支えるサポートが2面(中央付近と流出口手前)
結果 : 流れ場の特徴
内部が空洞のケーシング
- 高速で注入された気体は、まず底部に衝突
- タンク背面(左図注入口の左側)に大きな再循環領域
- 注入直後のケーシング上部に大きな剥離
- ケーシング底部では高速に出口方向に向かう
- 剥離が大きく、また、流れが不安定
内部にパイプとサポートを含むケーシング
- パイプがあることにより、注入された直後の気体はケーシング内で拡散
- 中央のサポート通過後は、どの高さでもパイプに沿って流れている
- パイプ上部よりも底部の方が流量が多い
断面における等値線表示
縦方向(ケーシング長辺方向)での断面を見た場合、
- 速度は、ケーシング底部領域で高くなっている
- 速度に違いはあるが、ケーシング全体で流れが観察されている
- パイプが重なっている部分(左図↓先端付近)では速度が低くなっている
ケーシング断面の流速に注目すると、注入後、最初のサポート前までは、底部での流速が速い.その後は、次第に均一になっていき、2枚目のサポート通過後出口近くでは、中央付近(流出口近く)で速くなっている様子が見える.
アニメーション
以上