流れのシミュレーション

流れの方程式の性質

karman vortex

円柱まわりの流れ(レイノルズ数 1000)

流れを支配する方程式はナビエ・ストークス(Navier-Stokes)方程式と呼ばれています.この方程式は非線形という性質を持ち,そのため解析的な扱いがとても難しいです.厳密解が非常に限られた条件でしか存在しません.つまり,流れの様子を方程式の解として知ることは数学的には殆どお手上げ状態ということです.

それでは「非線形性」とはどういうことでしょうか.それは流れ場の中にある波長のモードが次の瞬間にはその何倍かの積の形で現れてくる状況です.これが繰り返しおきるため,流れが非常に複雑になり,どんどんランダムになっていきます.これがレイノルズ数が低い状況では流れの速度に対して流体の粘性が強いため,拡散効果が働き,変動の速い部分を抑制して乱れの少ない流れとなるのです.一方,人間が空気中を歩くという現象ではレイノルズ数は10の5乗くらいに見積もられるので,相対的に空気の粘性が小さく,拡散による流れの様子は非常に複雑になるのです.

流れを数値的に解く

コンピュータは四則演算の組み合わせを計算するので,流れの基礎的な方程式であるナビエ・ストークス方程式を数学的にではなく,数値的に単純な四則演算で置き換える必要があります.その場合,空間を格子に分けて計算する方法がよく用いられます.これを「差分法」といいます.この「差分法」は格子点上の値をもとの偏微分方程式に基づいて近似して求めていく方法です.

数値解法について - 流体の基礎方程式

流体の運動は,流体の各部分の状態を知ることでわかります.流体各部分の運動の状態量として,運動学的な量としては速度ベクトル,熱力学的な量としては,流体の密度,温度,内部エネルギー等の状態量があります.これらについて,質量,運動量,エネルギーの保存則を式で表すことで,流体の基礎方程式を得ることができます.

具体的には以下の仮定を用いると支配方程式は次のようになります.

  • 仮定1 Newton流体である.
  • 仮定2 Fourierの熱伝導則に従う.

●質量保存則 「連続の式」

mass

●運動量保存則 「運動方程式」

eom

●エネルギー保存則 「エネルギーの式」

energy

 単位

unit ss